懸樋のブログKAKEHI’s Blog

「鳥取で住宅リフォーム、古民家再生のご相談、さらにその後①」

2009.06.20

以前こちらのブログで、長年住みなれた家を大切にされているお客様をご紹介させていただきました。その後のお話です。

一人の方はいろいろ考えた結果解体することになりましたが、もう一人の方の家は改修して残していくことになりました。改修といっても単純に新しくリフォームするのではなく、できる限り古くてもいいものは残していくという、どちらかといえば家を再生していくというイメージです。
saisei1.jpg鳥取市郊外のある小さな農村にある古民家で建築してから80年近くたっていて、家が傾いたり沈下していました。まずは現状を調査して把握し、家の構造に関わる部分をきちんと再生して耐震性を向上させたり、また現在のご家族の生活にあったようにリビングには開放感をつくったり、ご高齢のご両親のために車イスでの生活にも対応できるように配慮して再生していくことになりました。

お客様の住みなれた家への思いは熱いものがあり先日もこのようなメールをいただきました。

「私の家は古い民家で、特別にすぐれた建物でもなく、第三者からみれば残す値打ちがあるものではないのですが、私にとっては昔の田舎の農家の建物のありのままを残しておくことも、それなりに大切なことと思っています。跡形もなく壊してしまっては取り返しがつかなくなると思っています。

私の家族はドイツで過ごしたことがあるのですが、外国の友人が日本に来たいと言っています。どこにでもある近代的なホテルに泊まるよりも、日本の農民の農家のありのままを見せることの方が有意義だと思っています。ドイツ人は古いものを大切にする民族で、100年以上も昔の農家を改造して住んでいる方々は多くいます。」

「私の希望としては〈古き良き民家〉の雰囲気(黒く塗られた天井や引き戸や曲がった梁など)をそのまま残したいのです。そのなかでバリアフリーなどにより高齢者が生活しやすいようにしたいのです。外観は古い民家のままの方がいいのです。自分が育ってきた雰囲気を次世代の子供たちに残し伝えたいと考えています。
現代の都会の生活では体験できないもの、欠けているものを残す必要があると考えています。子供たち、孫たちに『こころの故郷』としていつまでも帰って来れる場所を残したいのです。」

このようなお客様とご縁ができたことは、当社にとってもとても素晴らしい財産になります。
お客様のこの思いを胸に、この度ようやく工事に着手いたしました。
この続きはまたこちらでご案内いたします。



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